コンラート・ゲスナー (1516-65), 「近代のプリーニウス」('a modern Pliny')とも称しうるスイス人の博物学者で、その『博物誌』(Historia Animaliumは有名だが、本書も博物学的な収集と分類の精神に基づいた、グーテンベルク以後最初の体系的な解説つきの書誌である。25歳のゲスナーは、イタリア、ドイツの図書館をまわって勉強した後、彼の時代までに貯蓄された人類の全知識を体系化し、それまでにギリシア語、ラテン語、ヘブライ語で刊行された全ての印刷本と、なるべく多くの写本を含んだ完全なる書誌を作成しようと決心した。4年後に刊行された『萬有文庫』(Bibliotheca Universalis)には、ほぼ12,000点の著作が解説されている。さらにその後、それらの書物を二十の学問領域に分類した主題別の書誌『百科総覧』(Pandectarum)と、さらに3,000点の著作を追加して『萬有文庫』を補う『追録文庫』(Appendix Bibliothecae)を刊行している。『ビブリオマニア』の著者で19世紀イギリスの愛書家ディブディン(T.F. Dibdin)は尊敬の念を持って彼のことを「書誌学の父」と呼んでいる。          

   コンラート・ゲスナーの主な業績は四つの学問領域に分類されうる。辞書の編纂、古代ギリシア時代に関する著作、そして後代の著述家たちによって編纂された作品、文学史・文献学の研究、自然科学に関する著作である。『動物誌』(TheThierbuch)はこのうち最後の自然科学領域における彼の主たる作品である。今日の版の出版物は計りしれない価値を持っており、17世紀の転換期にかけて広まったものである。彼と同時代の芸術家によって精巧に描かれているこの莫大な著作は次の4巻から成り立っている。第一巻は「四足類」(1606)に関して、第二巻は「鳥類」(1598)第三巻は「魚類」(1598)、そして最終巻が「蛇・怪物類」(1955)である。