犀の図像
|
この犀(「四足類」第131葉裏ページ)は、有名なアルブレヒト・デューラー(Albrecht Dürer)の模写である。体に見える斑点は、1514年から翌年にかけてインドからリスボンまで運ばれる10ヶ月もの間、船底に閉じ込められていたためにかかった皮膚病のあとである。ポルトガル王は「ガンダ」という名のこの犀をローマ法王に献上することにしたが、ローマへの船旅の途中で船が難破し、ジェノヴァ沖で海の藻屑と消えた。ニュルンベルクの無名画家がたまたまリスボンでガンダを写生し、そのスケッチがデューラーの目にとまって有名な版画となった。その後数世紀にわたり、デューラーによる図像は、犀をほとんど知らないヨーロッパにおける唯一の資料として、正体不明の斑点つきで忠実に写し取られ続けていった。
|